東京都港区麻布十番。
営団南北線の「麻布十番駅」が出来るまでは、最寄りの駅は「六本木駅」になり大変不便なところでした。
場所柄、外国人の方をよく見かけるのですが、同じ東京都内でも新大久保や上野とは雰囲気を異にしています。
「麻布十番商店街」には、元祖だとか本舗だとか老舗の風格漂うお店が沢山あり、全体的に洗練された感じです。
芸能有名人ご用達のお忍びの料理屋さんなんかも有ったりと、一言で言うと落ち着きのあるお洒落な街といったところでしょうか。
そんな、麻布十番にも一風変った場所があります。
年代物の貴重な雰囲気漂う温泉場が存在するのです。
鳥居坂を下りきった所、麻布十番商店街中程に何の変哲もない、ちょっと古い5階建てビルがあります。
このビルは、1階が普通の銭湯、2階が吹き抜けの為なく、3階が温泉になっています。
この3階が「麻布十番温泉」になります。
1階でも同じ温泉湯につかれるので、安く湯に浸かりたいのなら1階越の湯の方がお勧めです。
どうしてこんな二段構えの営業になったかというと、経営者であるご主人が温泉を掘った時、保健所で申請が取れずにしばらく銭湯で営業していた為だそうです。
数年後に申請が取れた時に、銭湯をそのまま残し3階に温泉部門を持っていきました。
麻布十番温泉は、昭和23年に地下500mから湧出したそうです。
お湯は、濃い褐色で重曹泉という種類に分類され、からだの色々な不調を改善 してくれます。
血行も良くなるので、お年寄りだけでなく、OAストレスによる肩凝りや冷え性などに悩まされている若い人たちにもお薦めです。
さらにお肌もツルツル効果もあるそうです。
温泉に入る際、入浴料を払う際に目に入るのが「据えつけはオケだけ」の表示です。
その言葉どおり、浴場には真っ黒なお湯の浴槽がひとつ。 (普通の銭湯ぐらいのサイズ)
あとは洗い場、サウナとお約束の「ケロリンのオケ」だけと、いたってシンプルな設備ですが、ここは温泉。
温泉と言えば付きものの宴会場も備えています。
なんと200人以上も収容できる大広間で、立派な舞台やカラオケの設備もあるそうです。
広間でゴロゴロとしていると、ついつい都会の喧騒を忘れ、今何処にいるのか判らなくなります。
【追記】残念ながら「麻布十番温泉」は、老朽化などを理由に2008年で廃業、約60年の歴史に幕を下ろしました。
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