上野公園にある仏塔パゴダ(ミャンマー、ビルマ形式の仏塔)がある丘が大仏山 と呼ばれるのは、かつてこの場所に大仏があったからだそうです。
寛永8年(1631年)にできた粘土製の初代大仏は、正保4年(1647年)の地震で倒壊 してしまいました。
その後、万治年間(1660頃)に青銅製の二代目大仏が建立され、元禄年間(1690 頃)には大仏を覆う立派な大仏殿も完成しました。
その後も地震や火事のたびに修復を繰り返して来ましたが、関東大震災でも 被災し頚部が崩れ、お身体からご尊頭が落ちてしまいました。
修復費用が思う様に集まらず、ご尊顔だけが長く寛永寺に保存されていました。
残ったお身体は、戦時中に軍隊に供出されて、武器の原料になったそうです。
ご尊顔が元の大仏山に戻ったのは、関東大震災50回忌となる昭和47年(1972年) の事でした。
お身体のあった所にパゴダが建てられ、戻ったご尊顔は記念塔としてパゴダの隣に保存されています。
何時の日か元の大仏様にお戻りになり、またそのご威光を拝みたいものです。