江戸の伝統が現代に蘇る「浅草流鏑馬2025」。鎌倉武士の勇姿と弓馬の技が織りなす圧巻のスペクタクルが、2025年4月19日に隅田公園で開催されます。桜咲く春の浅草で、800年以上の歴史を持つ日本の伝統武芸を体感できる貴重な機会です。疾走する馬上から放たれる矢の軌跡が、観る者の心を打つこの伝統行事の魅力に迫ります。
目次
浅草流鏑馬の歴史と伝統
江戸時代から続く伝統行事
浅草流鏑馬は、江戸時代に浅草神社の正月行事として行われていた伝統を受け継ぐイベントです。「浅草寺志」や「東都歳時記」にも記されているように、かつては八太夫という宮司が鬼の的を馬上から射る儀式が行われていました。この伝統は一時途絶えましたが、1983年に台東区によって観光行事として復活し、以来毎年春に開催されています。小笠原流弓馬術礼法宗家の協力により、古式に則った形式で執り行われ、江戸の文化と武道の精神を今に伝えています。
4年ぶりに開催された浅草流鏑馬を見に行きました✨
流鏑馬と騎射はさみもの含めて数多く射手いました!
当日デビューをなさった射手も🌱I went to watch the yabusame in Asakusa yesterday! It's been 4 years since it was last held and it was pretty amazing
続くCont↓#流鏑馬 #浅草 #小笠原流 pic.twitter.com/Rfsokz9l2x— ジェシカ Jessica Gerrity (@jessintokyo) May 28, 2023
流鏑馬の起源と発展
流鏑馬の起源は古く、896年に宇多天皇の命により制定されたとされています。平安時代から馬上における実践的弓術の一つとして行われ、鎌倉時代に武士の間で神事の武技として奉納されるようになりました。特に源頼朝が鶴岡八幡宮で奉納して以降、各地に広まりました。江戸時代には8代将軍徳川吉宗によって復興され、将軍家の厄除けや誕生祈願の際に神社へ奉納されるようになりました。
浅草流鏑馬2025の見どころ
迫力満点の流鏑馬
浅草流鏑馬の最大の見どころは、言うまでもなく流鏑馬そのものです。隅田公園の特設馬場で、射手たちが疾走する馬上から壱ノ的、弐ノ的、参ノ的を次々と射抜きます。鎌倉武士の狩装束を身にまとった射手が、馬上から的を射抜く姿は、まさに生きた歴史絵巻と言えるでしょう。砂煙を上げて駆ける馬と、的を狙う射手の真剣な眼差し、弓を引き絞る瞬間の緊張感は、観客を釘付けにします。
伝統的な狩装束の美
流鏑馬の射手たちが身にまとう狩装束も、大きな見どころの一つです。萎烏帽子(なええぼし)に綾藺笠(あやいがさ)、水干(みずごろも)または直垂(ひたたれ)、射籠手(いごて)、鞢(ゆがけ)、行縢(むかばき)、物射沓(ものいぐつ)など、細部にまでこだわった装束は、まさに武士の姿そのものです。これらの装いは単なる衣装ではなく、身を守るための実用的な意味を持っており、その一つ一つに日本の伝統文化が息づいています。
浅草流鏑馬2025の魅力
草鹿(くさじし)の伝統技
流鏑馬に先立って行われる「草鹿」も見逃せません。山谷堀広場で開催されるこの競技では、高さ約110cmの鹿の形をした的を、約20mの距離から弓で射ります。古式装束を着けた射手たちの腕前と所作の美しさは、日本の伝統武道の奥深さを感じさせます。草鹿は無料で観覧できるため、流鏑馬と合わせて楽しむことで、より充実した体験ができるでしょう。
浅草流鏑馬 草鹿
その1 pic.twitter.com/JMbJtVxJPl— やっこ (@8aaccoo) April 20, 2024
春の浅草を彩る伝統イベント
浅草流鏑馬は、春の浅草を彩る重要な伝統イベントの一つです。隅田川の桜並木を背景に、鎌倉時代から続く武道の精神と技を目の当たりにできる貴重な機会です。また、このイベントは浅草の観光スポットを巡る絶好の機会にもなります。着物をレンタルして流鏑馬を観覧し、その後浅草寺や仲見世通りを散策するなど、日本文化を存分に楽しむことができます。浅草流鏑馬は、江戸の粋と武の美学が現代に甦る、まさに「言霊の幸ふ国」日本の伝統文化の精髄を体感できるイベントなのです。
浅草流鏑馬2025の詳細
最寄駅 : 浅草駅
会場 : 台東区立隅田公園 特設馬場内 山谷堀広場
日程 : 2025年4月19日(土)
公式サイト : https://www.city.taito.lg.jp/bunka_kanko/other/yabusame41.html
※掲載内容は変更されている場合があります。最新の情報は、会場や主催者の公式サイト等でご確認ください。