上野公園の五條天神社で毎年2月3日に行われる「うけらの神事」をご存知ですか?古式ゆかしい追儺式として知られるこの神事は、病魔退散と無病息災を願う江戸っ子たちに愛された伝統行事です。今回は、この奇祭の魅力と歴史的背景に迫ります。
目次
五條天神社「うけらの神事」の起源と意味
五條天神社の歴史
五條天神社は、景行天皇の時代(110年頃)に創建された東京屈指の古社です。日本武尊が東征の際、医薬の神である大己貴命と少彦名命に加護を求めたことがきっかけとされています。
今年も薬祖神をお祀りしている上野の五條天神社にお詣りする。
今年も薬剤師として精進できますように!🙏 pic.twitter.com/ZYiMRdzfii
— 陋見 (@wine_rouken) January 2, 2025
「うけら」とは何か
「うけら」は白朮(びゃくじゅつ)という薬草の別名で、キク科の植物です。この薬草を焚くことで邪気を払い、無病息災を願う習わしがあります。
うけらの神事の流れと特徴
神事の四段階
うけらの神事は、節分祭、蟇目式、病鬼との問答、豆まきの4つの段階で構成されています。各段階には独特の意味があり、古式に則って執り行われます。
「うけらの神事」
方相氏と鬼のバトルを見よ! pic.twitter.com/usQo2ZXDAo— ナカネくん (@u_saku_n) February 3, 2024
方相氏の役割
神事の中で重要な役割を果たすのが「方相氏」です。四つの金色の目を持つ異形の姿で、弓矢を使って四方を清めます。この姿は平安時代の宮中行事に由来するとされています。
うけらの神事の文化的意義
江戸時代の人気行事
うけらの神事は江戸時代に特に人気を博しました。「うけら餅」を食べることで一年間無病息災で過ごせると信じられ、多くの江戸っ子が参拝に訪れました。
五條天神うけらの神事でいただいてきた「うけら(をけら)餅」。
包の中には「うけら」=佐渡オケラで知られる漢方原料の蒼朮(そうじゅつ)と餅が入っている。
うけらを炊き、煙が悪鬼を祓う。その煙の香を嗅ぎながら、お餅を食すと、一年中悪い病にかからないそうだ。 pic.twitter.com/N74T6ETvfS— FUNA (@FUNA84) February 4, 2024
現代に続く伝統
現在でも、うけらの神事は多くの参拝者を集める人気行事です。古式ゆかしい儀式と、病魔退散を願う人々の思いが、400年以上の時を超えて受け継がれています。
五條天神社「うけらの神事」2025の詳細
最寄駅 : 上野駅
会場 : 五條天神社
日程 : 2025年2月3日(月)
公式サイト : https://www.city.taito.lg.jp/event/kanko/ukera.html
※掲載内容は変更されている場合があります。最新の情報は、会場や主催者の公式サイト等でご確認ください。