日本には、婚礼や契約、様々な行事ごとに大安や仏滅からなる 「六曜(ろくよう) 」と関連付ける風習があります。
「六曜」とは太陰太陽暦で、吉凶を定める基準となる六つの日になります。
「六曜」は六曜(りくよう)・六輝(ろっき)とも呼ばれ、日本へは十四世紀頃(1300年代)、鎌倉末期から室町時代にかけて中国から伝わったと言われています。
中国では六壬時課(りくじんじか)とか小六壬(しょうりくじん)と呼ばれ時刻の吉凶占いに用いられていました。
これらを記した『事林広記』や『万宝全書』は、江戸時代に和刻出版されており、中国式の時刻占いとして天保年間(1830年~1844年)頃まで日本でも使われていたようです。
現在使われている「六曜」は貞亨年間(1684年~1687年)頃から上記の時刻占いを元に独自に変化し始め、もともとは泰安・留連・速喜・赤口・将吉・空亡と伝わったものを、一種の語呂合わせにより大安・友引・先勝・赤口・先負・物滅(仏滅) と表現されるようになったリと、それぞれの言葉の意味も地域、団体等により変わり、 まったく新しい日占いとして今に伝わっています。
「六曜」の暦は実に簡単に設定されます。
旧暦の日付にもとづいて配置され、
旧暦の
1月・7月の1日は先勝
2月・8月の1日は友引
3月・9月の1日は先負
4月・10月の1日は仏滅
5月・11月の1日は大安
6月・12月の1日は赤口
と定められており、1日以降は月末まで上記の順番で繰り返していきます。
旧暦では暦が規則的に来ますので、江戸時代はあまり「六曜」は重視されず庶民には「十二直」(日々の吉凶をしるし、生活の指針とした12の言葉)の方が人気があったようです。
明治6年1月1日新暦(現在のカレンダー)いわゆる太陽暦(グレゴリオ暦)になってから暦の違いにより時々不規則な変化をするように見え、それがかえって占い好きの庶民に珍重され、 本格的に広がったと言われています。
俗信(世間で広く信じられてきた言い伝え)による「六曜」の吉凶というのは次のようになっています。
先勝(せんしょう・せんがち):午前は吉。急ぐことは吉。
友引(ともびき):友を引く。葬式は不可。
祝い事は良し。朝晩は吉であるが正午は凶。
先負(せんぷ・せんまけ):午後は吉。平静を保って吉。
仏滅(ぶつめつ):万事凶であるが、葬式は構わない。
大安(たいあん):大いに吉。特に婚礼・旅行・移転には良い。
赤口(しゃっく・しゃっこう):火の元・刃物に注意。正午は吉だが朝晩は凶。
日取りを決める時にいろいろな暦注がついていて悩む人がいらっしゃいます。
本来の暦の吉凶というのは、何日か候補があって、 どれでもいいような場合に、迷わないで決める手段として使うというのが、 一番よいと言われています。
具体的・物理的都合を変えてまで、こだわる程、重要な事ではないのかもしれません。