「1ま~い、2ま~い」とお菊の亡霊が井戸から皿を数える怪談で有名な「番町皿屋敷」。
江戸時代、番町にあったお屋敷が舞台ということからこの名が付いています。
その「番町」とは、JR中央線市ヶ谷駅から四ツ谷駅にかけての東側一帯のエリアを指し、具体的には千代田区一番町~六番町をいいます。
江戸城に近接し、内堀と外堀に囲まれたこの高台の広いエリアは、まさに江戸の一等地だったのでしょう。
江戸時代は旗本や大名の武家屋敷が数百軒も建ち並んでいたといいます。
格式の高い武士の住む台地を当時から「山の手」と呼んでいたそうですから、番町はまさに「山の手」の中の「山の手」。由緒正しい高級住宅地といえるのかもしれません。
そんな江戸時代の高級住宅地は、明治時代に入ってもその輝きを失うことはありませんでした。
泉鏡花、有島武郎、与謝野晶子、武者小路実篤、国木田独歩といった明治を代表する文化人たちがこぞって居を構えた、気品と文化の香り漂う閑静な住宅街であったようです。
そして現在、番町は高級マンションとオフィスビルが建ち並ぶ近代的な街へと変貌を遂げましたが、その佇まいは今でも風格と気品に満ち溢れているように思えます。
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