新宿区神楽坂(かぐらざか)の中心は、JR飯田橋駅から牛込橋を渡った神楽坂下交差点から北西に延びる数百メートルの坂道「神楽坂通り」になります。
かつて江戸時代には、この通りを挟んで両側に武家屋敷の塀が続いていたそうです。
しかし現在の神楽坂通りは、今どきの飲食店などが所狭しと軒を並べる現代的なストリートで、昔の風情はあまり感じられません。
そんなにぎやかな神楽坂通りですが、そこから少し東に入ると、時代をトリップしたかのような風情のある街並みが広がります。
「かくれんぼ小路」と呼ばれる細く曲がりくねった裏路地がそれです。
石畳のこの小路の両側には年季の入った料亭や小さな旅館が建ち並び、夜には三味線の音が漂ってきそうな趣きがあります。
まさにここは、明治の頃からの花街の面影を残す「神楽坂」を代表する街並みと言えます。
花柳界として最盛期を迎えていた昭和12~13年頃の「神楽坂」は、料亭が約150軒、芸妓約600名を擁するほどの華やかな街であったそうです。
今ではその規模も10分の1以下に縮小してしまいましたが、むしろこのくらいの規模の方が、この街の趣のある魅力を醸し出しているように思えます。
神楽坂の中心エリアを歩いてみて感じるのは、この街には、昔からの戸建てや小規模な集合住宅が多いということです。
歴史ある街ゆえに、昔からの住人はあまり土地を手放さないのかもしれません。
一方、神楽坂より西側に向かって歩いていくと、徐々に街の風景は変わって、低層のマンションが多く見られるようになります。
住所で言うと、新宿区若宮町、中町、南町、払方町、砂土原町といったところです。
このあたりの街並みは、戸建もマンションも広い敷地に邸宅然とした佇まいを見せており、一目で高級な住宅地であることがわかります。
神楽坂に隣接する高級住宅地に住みながら、神楽坂の情緒ある街並みを散策したり、ご贔屓の料亭を見つけて粋な大人の遊びを愉しむ。
それが神楽坂における理想的な暮らし方なのかもしれません。
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