昭和17年(1942年)に736万人だった東京の人口は戦禍により346万人に激減。
区の人口にもばらつきがでてしまいました。
そこで是正措置がとられたのが昭和22年(1947年)。
東京の再建を図り地方自治法が公布され、35区は再編されて23の特別区になりました。
特別区とは、地方自治法により法人格を与えられた「特別地方公共団体」のこと。
普通地方公共団体である市に近い機能をもち、「市町村」に準ずるものとされています。
従って、市などでは処理されている公共事務なども単独では処理できず、当該区域を通じて都が一体的に処理することになります。
<新たに編成された23区>
合併した11区
・千代田区(麹町区+神田区) ・中央区(日本橋区+京橋区) ・港区(芝区+麻布区+赤坂区)
・文京区(小石川区+本郷区) ・台東区(浅草区+下谷区) ・墨田区(本所区+向島区)
・江東区(深川区+城東区) ・品川区(品川区+荏原区) ・新宿区(四谷区+牛込区+淀橋区)
・大田区(大森区+蒲田区) ・北区(王子区+滝野川区)
この外、次の12区を合わせて23区が構成されました。
・目黒区・世田谷区・渋谷区・中野区・杉並区・豊島区・ 荒川区・足立区・葛飾区・江戸川区・練馬区、・板橋区
「区」は英訳ですと「ward」または「city」を使用するのですが、「ward」には独房や病棟を連想
させることがあるそうです。
そのため、東京都の全ての特別区の英語表記は「city」を公式に使用することになりました。
これには特別区が市と同等である事を主張するための意味も含まれているようです。
このように、現在の23区は合併を繰り返した結果出来上がったものなのですが、その名称は歴史や地元色を連想させない味気ないものになってしまいました。
しかし、今後も再合併を行なうなどにより政令指定都市(政令で指定する人口50万 以上の市)
の計画も検討されており、まだまだ改革は続けられていくようです。
<参考・政令指定都市>
・札幌市(S47)・仙台市(H元年)・さいたま市(H15年)・千葉市(H4年)・川崎市(S47年)
・横浜市(S31年)・静岡市(H17年)・名古屋市(S31年)・京都府(S31年)・大阪府(S31年)
・神戸市(S31年)・堺市(H18年)・広島市(S55年)・北九州市(S38)・福岡市(S47年)