東京都北区にある飛鳥山公園。
桜やツツジの名所として知られる同公園は非公式ながら「東京で一番低い山」と言われています。
この低い山にモノレールが設置されているのをご存知でしょうか?
そもそも飛鳥山公園は江戸時代、八代将軍・徳川吉宗による享保の改革の一環として整備・造成された
公園です。
そこにはこんな逸話がありました。
当時、江戸近辺の桜の名所といえば上野・寛永寺程度しかなく、花見の時期は浮かれた輩などにより
相当風紀が乱れていたようでした。
そういう事情もあり、上野の山では花見定番の酒、団子が御法度とされ、一般には今のような飲めや歌えの花見が禁じられていました。
そんな中、庶民が安心して花見ができる場所が求められ、飛鳥山公園が設けられることになりました。
開放時には、吉宗公自ら飛鳥山に宴席を設け、桜の名所としてアピールを行ったと伝えられています。
当初、飛鳥山公園は認知度が低かったこともあり、他では禁止されていた「酒宴」や「仮装」が容認され
ました。そんなことあって大いに賑わうようになりました。
ご多分に漏れず江戸っ子たちは様々な趣向を凝らして楽しんだと伝えられています。
さて、この一帯は「飛鳥山公園」の名の通り小高い丘になっているのですが、国土地理院の地形図には
記載がありません。実は公式的には山として認められていないのです。
そこで、北区では「東京都で一番低い」とされる港区の愛宕山(25.7m)よりも低い山ではないかとして2006年、独自に測量を行い、実際に愛宕山よりも低い25.4mであることを確認したとしています。
北区は国土地理院に対し、飛鳥山を地形図に記載するよう要望していますがいまだに採択されていない
ようです。
高低差わずか20mながら、障害者やお年寄りにも気軽に山頂から名園を楽しんでもらおうという趣向で
設けられたモノレール。
料金は無料で操作はエレベーターと同じ。山腹を斜めに走り、「山頂駅」まで 約48mを2分で結んでいます。